前回はなぜ「小型ロケット」という需要が出てきたのか?
というところを述べました。
小型ロケット企業の話が出てきたのは2018年くらいでしょうか。
ベンチャー企業がテストフライトを始めてようやく機体が姿を現してきた時代です。
もう6年も前なんですね。
6年たって今はどうでしょうか。小型ロケットを商用として運用できていると言えるののは、現在ロケットラボ1社のみだと思います(あくまでも個人的な見解)
当時有力視されていたVectorやヴァージン・オービットは、すでに破産し、新しい出資元で再建中ということです。
現在アメリカでは、以下の企業があります。
・アストラ:複数回失敗しており、資金繰りが悪化。非上場化を計画
・ファイヤフライ・エアロスペース:
実は1回破産している。アルファを4回打ち上げているが成功は1回のみ。探査機が月に。
・ABLスペース:デモ飛行を1回実施。HPみたら日本人がいた。
・Relativityスペース:全部3Dプリンタで作るらしい。1回テストフライトをしているが失敗。
とこんな感じでいっぱいありますが、みなさん開発中でまだ安定的な打ち上げに至っていません。(ほかにもいくつかあるかもしれません)
ヨーロッパでは、
PLDスペース:MIURA1の打ち上げを実施。必要十分なデータは取得できた。
他企業いくつかあるが、打ち上げは未実施の様子。
という感じで企業はあれど、まだ商業化には時間がかかりそうです。
やはり、開発に金がかかるので、ベンチャーは資金不足で破産が多い業界です。
慎重にやると莫大な金が必要で、開発に時間がかかると打ち上げができず、顧客が付きません。かといって急ぐと失敗する。機体も失ってしまい、これも信頼が落ちたりと、結構板挟み間がすごいです。
また、昨今の需要から、ベンチャー企業も多く出てきていており、競争が激化していると言えます。
ただ、プレーヤーが増えるというよりは淘汰されているんだろうなぁ…と思います。
ロケットのテストフライトまでこぎつけたとしても成功している企業が少ないことから、民間でやることはいかに難しいことなのかということです。
さらにここから安定運用ともなると、とても時間がかかる…そんな業界というのが現状からみて取れます。
裏を返せば、大型ロケットは、国家が金、人、時間を桁違いにかけていることがわかります。
ということで今回は、欧米の小型ロケット企業を紹介して、業界の様子を考察してみました。次回は現在小型ロケットで一人独走状態のロケットラボを調べてみたいと思います。